ある日、突然シミはできる
私の近所の喫茶店によく遊びにくるA子さんは、28歳の女ざかりです。
彼女の顔には、幸いなことにシミひとつありません。
いえ、正確にいえば、シミひとつなかったと言うべきでしょう。
美人ですし、本人もそのことを十分意識しているので、普通の人より、服装や化粧にもよく気をつけていました。
もちろん、1日に30分以上は鏡に向かっていました。
その彼女が、ある日、悲しそうな顔つきでかんぱん レーザー治療をしているクリニックにやってきました。
「先生、大ショック。わたし、シミが出来てしまったの。
気がついたのは昨日。
毎日、鏡を見ていても、ぜんぜんそんなキザシはなかったのに、昨日、とつぜんシミができていることに気がついたの・・・。
ホボラ、見て。大ショック・・・。なんとか治して下さい」
・・・と泣きついてきたのです。
診察してみると、たしかに、まぎれもないシミです。
「おしゃれで、いつも鏡ばっかり見ているA子ちゃん自身が、気づかないうちに、とつぜんシミができてしまうのだから、こわいものだなあ」
・・・と私は感じないわけにはいきませんでした。